管理薬剤師の条件は? – 薬機法・かかりつけ薬剤師制度の観点から

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管理薬剤師になる予定の人は、管理薬剤師の条件や禁止事項をしっかりとチェックしておく必要があります。こちらの記事では、薬機法および2016年4月からスタートした「かかりつけ薬剤師制度」の観点から、管理薬剤師にもとめられる条件を説明したいと思います。これから管理薬剤師を目指す方は参考にしてください。

薬機法が定める管理薬剤師の条件

明確な基準はないが一定の条件をクリアしていることが前提

医薬品を扱う調剤薬局・病院・ドラッグストア・製薬会社などは、薬機法により管理薬剤師を置くことが義務づけられていますが、管理薬剤師にもとめられる具体的基準については、薬機法は具体的な条件を定めていません。

ただ薬機法は、薬局の管理者は薬局を”実地に管理”しなければならない、つまり現場で直接管理しなければならないとしていますので、一定の条件はもとめられことになります。

薬機法については複数の解釈ができますが、現在の業界内の解釈としては、管理薬剤師は週32~40時間の勤務時間がある常勤または常勤に近い非常勤(パートや紹介予定派遣なども含む)で、最低でも3年以上の薬局勤務の経験があるというのが、一般的な認識のようです。

管理薬剤師が禁止されていること

薬機法は原則として管理薬剤師の兼業および副業を禁止しています。これに違反すると薬機法違反となるので、パートなどで管理薬剤師を務める場合はとくに注意が必要です。ただし、薬機法が禁止しているのは、薬事にかんする兼業・副業ですので、副業先が薬局や病院以外なら一応OKということになります。

また例外として、緊急時に要請があった場合などにかぎり、都道府県知事の許可を得たうえで、管理薬剤師は兼務が認められます。

管理薬剤師にもとめられる条件が変わりつつある?

2016年4月の調剤報酬改定にともないスタートした「かかりつけ薬剤師制度」は、管理薬剤師の具体的要件についても言及しています。『平成28年度調剤報酬改定及び薬剤関連の診療報酬改定の概要』によれば、新たに見直された基準調剤加算を算定する薬局の管理薬剤師は、次の条件を満たしている必要があるとしています。

《基準調剤加算を算定する薬局の管理薬剤師に求められる条件》

  1. 5年以上の薬局勤務経験があること
  2. 同じ保険薬局に週32時間以上勤務していること
  3. 同じ保険薬局に1年以上在籍していること

では、ひとつひとつの項目について見ていくことにしましょう。

まず1つめの「5年以上の薬局勤務経験があること」ですが、基準調剤加算要件の見直しにともない、管理薬剤師にもとめられる実務経験は、業界内の規準とされてきた3年以上から大きく条件が引き上げられ5年以上になります。多くの薬局では、いま採用している管理薬剤師よりも経験豊富な薬剤師をあらためて管理薬剤師として登用する必要にせまられています。

2つめの「週32時間以上勤務」という条件は、これまでと同様の規準となります。3つめの「同じ保険薬局に1年以上在籍」については、どの期間をカウントするかという問題がありますが、長くなるのでここでは説明を省略することにしたいと思います。

いずれにしても、基準調剤加算の見直しによって、保険薬局に対してより厳格な基準がもうけられることになったといえるでしょう。

「かかりつけ薬剤師制度」の是非は別として、「かかりつけ薬局制度」によって管理薬剤師の条件が具体化されたことは、薬局利用者にとっては良いことです。ただ、薬局側にしたらハードルがだいぶ高くなったため、条件をクリアすることがむずかしくなっている薬局も多いようです。

以上3つの条件が、基準調剤加算を算定する保険薬局の管理薬剤師が最低限クリアしていなければいけない条件ということになります。

ちなみに、「かかりつけ薬剤師指導料」を算定できる「かかりつけ薬剤師」は、次の条件をすべてクリアしていることがもとめられます。

《「かかりつけ薬剤師」にもとめられる条件》

  1. 保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験がある
  2. 週の勤務時間が32時間以上あること
  3. 現在の勤務先に6ヵ月以上在籍していること
  4. 認定薬剤師資格を取得していること
  5. 医療に関係する地域活動に参加していること

「かかりつけ薬剤師制度」はまだ普及・定着の途中ですし、「かかりつけ薬剤師」にしてもすべての薬剤師にもとめられる条件ではありません。しかし「管理薬剤師」であれ「かかりつけ薬剤師」であれ、薬剤師としてスキルアップしていかなければ、転職市場においてもふるいにかけられてしまう時代は、もうそう遠くはないかもしれません。

なお現在は、「管理薬剤師」「認定薬剤師」「かかりつけ薬剤師」として活躍してもらうための支援制度を整備している薬局も増えており、近年の転職市場では、こうした求人の人気が高まっています。

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