スポーツファーマシストとは

アスリート

東京オリンピックの開催を目前に注目をあつめているのが「スポーツファーマシスト」という資格。

スポーツファーマシストとはどんな資格なのか、興味がある薬剤師さんも多いと思います。

というわけで、今回はスポーツファーマシストという資格に注目してみたいと思います。

スポーツファーマシストとは

スポーツファーマシストとは、スポーツ選手の「うっかりドーピング」を防ぐ役割を果たす薬剤師のこと。

正式名称は「公認スポーツファーマシスト」という名称で、公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(以下:JADA)が認定する資格です。

公認スポーツファーマシストの認定制度は、2009年、JADAが日本薬剤師会の協力のもとにスタートしました。

公認スポーツファーマシストは、世界的なアンチ・ドーピングのムーブメントのなかでスタートした日本独自の制度です。

JADAによれば、2019年4月現在、公認スポーツファーマシストは国内で9,530名が認定されています。

認定者の増加にともない、薬局や小中高の教育現場など、スポーツファーマシストの活躍の場もすこしずつ増えてきているようです。

スポーツファーマシストに期待される役割

  • スポーツ選手・スポーツ団体にたいして医薬品の適正使用に関する情報を提供すること
  • アンチ・ドーピングの普及・教育・啓発活動をおこなうこと

公認スポーツファーマシスト認定制度概要
https://www.sp.playtruejapan.org/acquire/

スポーツファーマシストが必要とされる理由

スポーツ選手は思わぬことが原因でドーピング規定に抵触するリスクがつねにあります。

お茶や風邪薬、育毛剤など、わたしたちが身近に手に入れられる商品の中にも「ドーピング禁止物質」が含まれていることがあるので、スポーツ選手である以上、油断できないのです。

2014年には一般用医薬品のネット販売が解禁されたこともあり、スポーツ選手にとっても国内海外を問わず、さまざまな医薬品やサプリメントがより身近になりました。

しかし多くの市販薬が処方せんなしで手に入るようになったということは、スポーツ選手にとってはドーピング規定に違反してしまうリスクもそのぶん高まったということになります。

ですから、スポーツ選手がドーピング規定に抵触しないかどうかを判断するには、ドーピングの専門家であるスポーツファーアシストから直接アドバイスしてもらうのがもっとも確実で安心な方法というわけですね。

アスリートにとってドーピング検査は大きな精神的負担であり不安要素でもあります。

スポーツファーマシストは、選手のライフスタイルなどを詳細に把握することで選手の不安を解消し、十分にパフォーマンスを発揮する手助けをすることも重要な役目です。

スポーツファーマシストが選手から相談を受けた際は、そのつどGlobal DRO (The Global Drug Reference Online)でドーピング禁止物質を照会したり、薬剤師会へ問い合わせするなど、確実な情報提供がもとめられます。

また、スポーツファーマシストは選手からの問い合わせだけでなく、スポーツドクターから相談を受けることもあり、その場合はドクターと連携してスポーツ選手の適切な薬物治療の方法を模索しなければいけません。

スポーツファーマシストはスポーツ選手の専属アドバイザーとして、競技団体の一員として、あるいは外部アドバイザーとして、さまざまなかたちで必要とされています。

スポーツファーマシストになるには

公認スポーツファーマシストの資格を取得すること自体はむずかしいことではありません。

公認スポーツファーマシストは薬剤師免許さえあれば年齢に関係なく受験可能な資格ですし、認定試験もテキストを暗記すれば合格できるレベルです。

ただし、多くの資格がそうであるように、公認スポーツファーマシストも、資格を取得しただけではその後の専門家としての仕事にはつながりません。

スポーツファーマシストとして活躍するには、有資格者を必要としている職場を自分で探さなくてはいけませんし、アンチ・ドーピングのスペシャリストとして独自の道を歩むのであれば、自分でクライアントを開拓する努力も必要です。

職場によってはスポーツファーマシストとして活躍できる環境が用意されていたり、育成を後押しする環境が整備されている場合もあるので、そういった職場で研鑽を摘みながら独立を目指すという方法もあるでしょう。

いずれにしても、スポーツファーマシストになるには資格を取得するだけはあまり意味がなく、資格取得後のキャリアを自分でいかに形成していくかが課題となります。

そのため、スポーツファーマシストになるには、情熱だけでなく薬剤師として新しい仕事の領域を開拓していくフロンティア精神が必要です。

スポーツファーマシスト、挑戦の時
https://pcareer.m3.com/plus/article/its-time-to-challenge-as-a-sportspharmacist

公認スポーツファーマシストの資格を取得するメリット

公認スポーツファーマシストの資格を取得すれば、職場においてもその努力が認められるかもしれませんが、多くの職場では昇給やキャリアアップの評価対象にまでは、おそらくならないだろうと思われます。

しかし、資格を取得すればスポーツ選手にドーピング規定に抵触しない薬をアドバイスするなど、薬剤師として新たな価値を提供することが可能になります。

薬剤師の将来的な需要予測にはさまざまな見方がありますが、ほかの薬剤師がもっていない価値を提供できることは大きな強みになるにちがいありません。

資格を取得すれば公認スポーツファーマシトを名乗ることができ、肩書もひとつ増えるので、キャリアの幅がひろがる可能性もあります。

専門化の肩書のもとに活動をしていれば教育現場での仕事や講演会の仕事を依頼されることもあるかもしれません。

もっと身近なところでは、ボランティアとしてスポーツ選手を支えることも可能です。

日本国内におけるアンチドーピング活動は、JADAが設立される以前、もともと薬剤師の草の根運動のようなかたちでスタートしているので、スポーツファーマシストとしての活動もボランティアとの相性が非常によいといえます。

東京オリンピックをきっかけに公認スポーツファーマシストという資格が一段と注目を浴びていますが、ボランティアを希望する薬剤師さんも非常に多くなっているようですね。

こうしたことから、今後、スポーツ選手を支える活動が企業の新たな社会貢献としてひろまっていくことも予想されます。

公認スポーツファーマシストの資格を取得すれば、本業以外の場で活躍したり、ネットワークをひろげることも可能になると思います。

また、簡単とはいかないでしょうけれど、スポーツファーマシストとして独立開業を目指すこともできるでしょう。

公認スポーツファーマシストという資格は、薬剤師としてのキャリアパスをさまざまな方向にひろげてくれそうな将来性がある資格ですので、興味がある薬剤師さんは、取得を検討してみるのもよいのではないでしょうか。

うっかりドーピング防止活動に取り組むクオール薬局

調剤薬局大手のクオール薬局は、社会貢献活動のひとつとして企業ぐるみで「うっかりドーピング防止」を支援する活動をおこなっていることで注目されています。

クオール薬局には現在、公認スポーツファーマシストの資格をもつ薬剤師さんが50名以上在籍しており、チームとなって大学レスリング部の支援などをおこなっています。

クオール薬局のリクルートサイトには、公認スポーツファーマシストを取得した薬剤師さんが紹介されています。

クオール社員紹介01
https://www.qol-net.co.jp/recruit/fresh_pharmacist/people/01

スポーツファーマシストの求人傾向

先におつたえしたとおり、スポーツファーマシストとして活躍できる職場は、現状では少ないため、求人も多くはありません。

しかし、プロスポーツ選手が来院するクリニックなどでは、スポーツファーマシストとしての知識やキャリアを活かすことができますし、そうした職場ではドーピングを学びながらキャリアアップできる環境が整っている場合もあります。

スポーツファーマシストとして独立したい薬剤師さんを後押ししているクリニックなども、すくないながら存在するので、アンチ・ドーピングの専門家として道を模索している薬剤師さんは、そうした環境でキャリアを積むことを考えてみてもよいのではないでしょうか。

スポーツファーマシストの求人は、薬キャリをはじめとするエージェント各社に相談することでみつかる場合がありますので、興味がある薬剤師さんは直接問い合わせてみてください。

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