忙しい日々を送っていて疲れが取れないと、心身のバランスが崩れて働くこともできなくなってしまいます。だから休むことは働くことと同じぐらい大切です。
<カモミールの花>
ここでは、企業の募集要項に書かれている「年間休日」について取り上げてみたいと思いますので、参考にしてください。
そもそも年間休日って何?
年間休日とは、会社が定めている1年間の休日の数です。
ただし、これには有給休暇は含まれません。
年間休日に含まれるのは・・・・・・
- 決まった休日(週休2日なら土日など)
- 祝日
- 夏期休暇
- 年末年始の休み
- その他に会社が定めている休日(創立記念日など)
年間休日には法律のはっきりとした定義がないので、会社によってとらえ方が若干違います。
会社によっては、夏季休業などを年間休日に含めないといった会社もあります。
また、チェーン展開しているような薬局では、職責や店舗ごとに年間休日の日数が違ってくる場合も少なくないようです。
募集要項の年間休日の日数が、正確な日数をあらわしていない場合があるので、転職する場合はエージェントなどから話を聞いて確かめておく必要があると思います。
平均的な年間休日はどれくらい?
『平成27年就労条件総合調査結果の概況』(厚生労働省)によると、労働者1人あたりの年間休日の平均日数は113.2日とされています。
年間休日の平均日数は、業界によっても異なりますが、会社規模が大きく従業員数が多いほど、年間休日が多くなる傾向にあります。
薬剤師業界であれば、年間休日が120日もあれば、多いほうです。休日には法律で定められた最低ラインというものがあります。それにもとづいて年間休日の最低ラインを算定すると105日になります。ですので、年間休日がこのぐらいの日数になると、少ないと言えます。
休日の日数は有給のとりやすさもポイント
年間休日が少ない会社でも一概にワークライフバランスが悪いとはいえません。たとえば、年間休日が少なめの会社でも、有給の取得率が高ければ、1年間に休める日はそこそこの日数になる場合もあります。
(先にも触れた通り、有給は年間休日に含まれません。)
ただし、数字にはいろいろなカラクリが含まれてある場合もあるので、有給取得率が高い会社が、かならずしも良い会社ということにはなりません。あくまで1つの指標としてとらえるべきです。
できることなら、年間休日が少なく、常に人手不足で有給もろくに取らせてもらえない会社に転職するのは避けたいものです。
しかし、年間休日の目安はわかるとしても、有給の取得しやすさは職場の忙しさや人員体制にもよりますので、休みがとりやすい会社かどうかを判断するのは、実際のところ単独ではむずかしいです。
転職を考えている会社のワークバランスが心配な場合は、エージェントから十分に話を聞いて実情を把握しておくようにしてください。
その場合は、年間休日や有休だけでなく、職場の忙しさ、人員体制、残業なども含め、トータルでワークライフバランスをチェックすることを忘れずに。
見直され始めているワークライフバランス
近年、オーバーワークで心身のバランスを崩してしまう人が増えています。そこで見直されているのが、ワークライフバランスです。ちなみに、ワークライフバランスというのは「仕事と生活の調和」というように内閣府によって正式に定義づけられています。
「バランスの取れた働き方をしましょう」といろんな政府が音頭をとって呼びかけているわけです。企業も、ワークライフバランスを改善していかないと世間からバッシングされる時代です。生産性だけを追い求める時代は、もう終わろうとしています。
ワークライフバランスの改善は、生産のムダを省き、逆に生産性を高めるということも言われています。そういったこともあり、いま大手企業が積極的にワークライフバランスを推進しようとしているのです。
薬剤師は女性が圧倒的に多いため、年収よりもワークライフバランスを重視する人が多いように思います。でも転職のときは、労働条件や社内事情を細かくチェックしておかないと、あとになって後悔することになるかもしれないので、よくよく注意してください。
休日が少なく心身のバランスが崩れてしまったら
忙しさで体調を崩す人は働き盛りの30代、40代に多いといわれています。今まで経験したことのない身体の異変があらわれるのも、この年代です。
また、20代でも「ブラック企業」とよばれる、従業員の労働環境を無視したような会社に不遇にも就職してしまったために、心身ともにボロボロになってしまう人が後を絶ちません。責任感が強くまじめな人ほど、与えられた責任をまっとうしようとするので、知らず知らずのうちに無理をする傾向があるのです。
自分では大丈夫と思っていても、身体はストレスに素直に反応します。しかし、ちょっとした異変が出はじめても、まだ頑張ってしまう。自分でもうダメだと気づいたときには、悲劇的な状況に心身が追い込まれてしまっています。
そうならないために、「自分の身は自分で守る」という意識を常にもち、心身の健康管理に気をつけることが大切です。体調不良や病気は「身体からの危険信号」と認識して、早めに改善策を考えて実行することも忘れてはいけません。
結果の改善が見込めない場合、休職したり転職したりすることで、生活環境をおもいきって変えてみることも必要ではないでしょうか。
ここでは年間休日について取り上げてみましたが、いかがだったでしょうか?
仕事とプライベートの両立を考えて転職する場合は、転職先の会社が従業員のワークライフバランスと健康、さらには人生にについて、どのように考えているのかということを、さまざまな角度からチェックしていく姿勢がもとめられます。
ただし、年間休日や有給取得率などの指標は、ワークライフバランスの要素を構成する1つの目安でしかありませんので、そのことを十分に理解したうえで、転職先の内情については、エージェントから客観的な情報を確認しておくことも忘れないようにしてください。